思った以上に意味が多い! Franchise (フランチャイズ)の使い方
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Franchiseと聞くと、小売店の「フランチャイズ」形式が思い浮かびますね。もとは「特権、権利」という意味の単語で、契約によって特定の商品やサービスを市販する権利を与えられることから、フランチャイズと呼ばれるようになりました。ですがfranchiseには、日本であまり知られていない多くの意味があります。
「特権、権利」という意味のFranchise
最も分かりやすい例が、1)にあるようにa franchiseで「フランチャイズの店」という意味です。ファストフードの権利を与えられて営業する店ということです。
1) My brother just opened a fast-food franchise down the street.
(兄がこの先でフランチャイズのファストフード店を開店したんです)
なお、フランチャイズ権利を売る側(本部)をfranchisor(フランチャイザー)、権利を得て商品やサービスを提供する加盟店をfranchisee(フランチャイジー)といいます。フランチャイジーは通常、頭金や毎月のroyalty(ロイヤリティ)をフランチャイザーに支払います。
フランチャイズ形式の店舗に限定せず、2)のように広く「営業権」としても使います。Grantは特権や権利などを「認める」という意味で、ここではbe grantedで「認めて与えられている」としています(関連記事:動詞のGrantや、副詞的なGrantedの意味と使い方)。
2) We are granted a franchise in the entire city.
(我々は市全域における営業権を与えられている)
「参政権、投票権」という意味もあり、3)のように使われます。今日、参政権はright to voteのほうが一般的ですが、franchiseに幅広い定義があることを示す一例です。
3) The U.S. did not extend the franchise to women until the early 20th century.
(20世紀初頭まで、アメリカは女性に参政権を与えなかった)
ブランドからスポーツまで商業で使われるFranchise
今日、franchiseは商業面で使われることが多く、定義が拡大しています。
4)のように「一連の作品、商品」をfranchiseとして表します。「ハリーポッター」というストーリー及びキャラクターは、小説、映画、DVD、ゲームなど、様々な形で商品化されていますよね。それらをすべてひっくるめたひとかたまりがfranchiseと表現されます。ここでは「作品シリーズ」という訳をつけました。日本語で「人気作品、ヒット作」と訳していることがありますが、個々の作品を指すわけではないので注意して下さい。
4) In 2007, Harry Potter became the biggest franchise in history.
(2007年にハリーポッターが史上最大の作品シリーズとなった)
英語辞書で以下のように定義されていました。これが最も近いと思います。「1つのブランド名でくくられた商品シリーズ」のことです。
A brand name under which a series of products is released
(出典:The Free Dictionary)
5)のfranchiseは「プロのスポーツチーム」の意味で使われています。NFLはNational Football Leagueの略で「アメリカンフットボール、アメフト」のことですね。プロのスポーツチームには所属選手、試合、放送、商品販売など様々な権利が関わってくるので、そこからfranchiseと呼ばれるようになったようです。
5) The mayor is aiming to bring a NFL franchise to the city.
(市長は、NFLチームの市への誘致を狙っている)
6)のようにfranchise playerで「スター選手、人気選手」の意味になります。チームスポーツにおけるスターということで、アメリカではフットボールやバスケットボールでよく使います。team starと同義と考えていいでしょう。
6) The team is desperately searching for a new franchise player.
(球団は新たなスター選手を必死に探している)