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社内での関係において「同僚」「同期」「先輩」「後輩」といった呼び方があります。これらを英語で表すには少し工夫が必要です。
広く使えるCo-workerという単語
端的に言ってしまうと、「同じ職場で働く人」という意味で同僚、同期、先輩、後輩すべてco-workerまたはcolleagueで間に合ってしまいます。アメリカの組織ではどちらの入社が先とか、同じとか、年はどちらが下とか関係ないので、いちいち呼び方を分ける概念がありません。海外の人に紹介する時は1)のような表現で十分です。
1) This is my co-worker Hiroshi.
(こちら同僚のヒロシです)
ただ、これだけで説明が終わってしまうと日本の人はモヤモヤっとするはずなので、社内での関係を明確にしたい時に使える表現をいくつか紹介します。
先輩、後輩の表現には注意が必要
「先輩」を表すのに適しているのがseniorという単語です。形容詞で「上級の、年長の、古参の」という意味で、その後にengineer、colleague、employeeといった名詞を伴って、2)のように「先輩エンジニア」、3)のように「先輩の同僚」と表現できます。
2) I always count on my senior engineer Toru.
(私はいつも先輩エンジニアのトオルを頼りにしています)
3) My senior colleague suggested me to write a proposal.
(先輩が企画を書いてみたらどうかと言ってくれた)
職場におけるseniorは「より経験がある、勤務年数が長い」の意味が強く、年齢が上ということではないので注意して下さい。Seniorが形容詞であるためmy seniorで「私の先輩」という言い方はしません。また、日本では名前の代わりに「センパイ!」と呼びかけに使ったりしますが、これは英語にはなりません。名詞のseniorは「高齢者、大学や高校の4年生」を意味します。
Seniorの逆が「下級の、年少の、経験の浅い」という形容詞のjuniorです。Seniorと同じく名詞を伴い、4)のように「後輩の同僚」として使えます。名詞では「(大学や高校の)3年生、(特にスポーツなどでの)ジュニア選手」となり、やはりmy juniorで「私の後輩」とはなりません。
4) My junior colleague and I were assigned to a new team.
(後輩と私は新しいチームに配属された)
紹介しておいてナンですが、ハッキリいってseniorもjuniorも英語の会話では不要です。上下関係をいちいち表に出さず、「より経験がある」ことが重要な意味を持つ時だけ使うようにして下さい。
入社時期による関係の表し方
学校卒業に合わせて一括採用を行う日本の企業では、入社年が大きな意味を持ち、一緒に入社した人たちを「同期」と定義しますね。通年採用を行っているアメリカでは、その概念がありません。そのため「1年先輩」と言いたい時は5)や6)のように、「1年先に入社した」と表すことになります。
5) She joined the company a year earlier than me.
6) She is one year senior to me.
(彼女は私の1年先輩です)
もし年が1歳上と言いたければ、 “She is a year older than me.”(彼女は私よりも1歳年上です)となりますが、アメリカではビジネス上で年齢の話はしないので、使う場面に注意して下さい。
同期入社と言いたいときは7)のように「同じ時期に入社した」と表現できます。「私の同期」にあたる英語はないので、やはりco-workerやcolleagueを使うことになります。
7) We joined the company in the same period.
(私たちは同期入社です)
繰り返しますが、年功序列や就活サイクルがないアメリカでは同期と言われても「だから何?」という感じです。ただ、同じ時期の入社がきっかけとなった人間関係を表したい時があるかもしれません。そんな時は8)のように表現できます。
8) We’ve known each other very well since we joined the company in the same period.
(同じ時期に入社して以来ずっと親しくしています)
仕事仲間の意味のWork Associate
Work associateやbusiness associateという言葉をよく聞きます。なんかカッコいい響きがありますね。Associateは「仲間、同僚、共同経営者、従業員」と様々な意味があって、9)のように社内・社外を問わず「仕事仲間」として幅広く使えます。自分の同僚をwork associateと呼ぶこともできますが、どちらかというと共同プロジェクトを進めている他社の人とか、専属契約を結んでいるアドバイザーなど、社外の仲間に使うことが多いようです。(関連記事:英語の役職、Associate(アソシエイト)とは?Assistantとの違いは?)
9) I just came across my work associate.
(たった今、仕事仲間に偶然会ったわ)
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