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グルメ都市、NYでフードホールが大盛況

ニューヨークのフードホール

Cimplex Marketing Group Inc.はロサンゼルスに拠点を置き、グローバル事業を展開する日本企業を市場調査とマーケティングの分野で支援する日系の会社です。 

フードホールと総称される複合飲食施設が全米各地で広がりを見せています(関連記事:西海岸スタイルのフードホールが大ブーム!)。中でもニューヨーク中心部では、2012年にプラザホテルが地下コンコースを改装し、The Plaza Food Hall(ザ・プラザフードホール)という名でブームの先駆けとして大成功を収めて以来、5年間で19施設がオープンしました。2018年以降もグルメ評論家、Anthony Bourdain(アンソニー・ボーデイン)氏がプロデュースする最大規模のBourdain Market(ボーデイン・マーケット)を含めて、少なくとも5つのホールがオープン予定で、このトレンドはまだまだ続きそうです。

ベストオブニューヨークが集結するダイニングスペース

フードホールは、全米チェーンの店が集まる従来の似たり寄ったりのフードコートと異なり、個性ある飲食店がカジュアルなスタイルで料理を提供する特徴があります。NYの場合、有名シェフによるプロデュースや人気レストランのカジュアル版といえる店がフードホールに集積しています。長時間並ばなければ入れない、場所が遠いなどの理由でなかなか行けなかったレストランが、1つ大きな屋根の下で質の高い料理を提供しているのですから、その話題性と人気ぶりは当然といえるでしょう。

例えばグランドセントラル駅すぐ近くにあるUrbanspace Vanderbilt(アーバンスペース・バンダービルト)のテナントは、NYのベストフライドチキンと称賛されるDelaney Chicken(デラーニー・チキン)、ファストフード式でラーメンを提供する一風堂のKuro-Obi(黒帯)、ピザレストランのRoberta’s(ロバルタス)など人気店ばかりです。ブルックリンの人気ホール、DeKalb Market(デカルブマーケット)は、ガイドブックに必ずお目見えする老舗レストランのKatz’s Delicatessen(カッツ・デリカテッセン)が2号店を出店して話題となり、住民だけでなく観光客にとっても訪れたい場所の1つとなっています。

エリアに合わせた開発に注目

ユニオンスクエアにあるUnion Fareでは、カスタードとホイップクリームがたっぷりと入ったクロワッサン(右)が名物 (Photos by Kanae Jurcic)

最近目にするのが、高級コンドミニアムの1階に建設されるフードホールです。居住するエリアとしては未発展な土地に、人気のフードホールを入れることで裕福な若い層を誘致する不動産戦略として脚光をあびています。フードホール側も、コンド居住者という確実なリピート客が見込めるため、ウィンウィンなビジネスともいえます。居住者はフードホールをケイタリング付きイベントスペースとして使用できたり、宅配サービスを受けたりというメリットがあります。こういったホールの例がGotham West Market(ゴッサム・ウエストマーケット)Gotham Market at Ashland(ゴッサムマーケット・アット・アッシュランド)です。

Union Fare Gastrohall(ユニオンフェア・ガストロホール)は学生や若者が多いユニオンスクエアに立地し、デザートやブランチに力を入れて昼間だけ営業しているホールです。シナモンロールに目玉焼きやソーセージを挟み、ベーコンの油を含んだアイシングをかける究極の朝食サンド(Ultimate Breakfast Sandwich、参考ビデオ)や、有名パティシエであるThiago Silva(ティアゴ・シルバ)氏が考案した虹色クロワッサンを楽しむことができます。こういった目玉商品はビジュアルがインスタ映えすることもあり、オープン直後SNSで一躍話題となり、現在は新しいブランチメッカとして賑わっています。

特定の地域、料理に絞ったフードホールも登場

グランドセントラル駅内にあるGreat Northern Hallではデンマークのパン(上)や北欧式オープンサンドイッチ(下)が人気 (photos by Kanae Jurcic)

特定地域の料理にテーマを絞ったフードホールも登場しており、その一例が北欧フードを集めたGreat Northern Food Hall(グレートノーザンホール)です。コペンハーゲンの伝説レストラン、NOVA(ノヴァ)のシェフであり、新ノルディックフードブームの立役者であるClaus Meyer(クラウス・マイヤー)氏が立ち上げたホールで、ライ麦パンのオープンサンドやデニッシュなどの軽食が人気です。北欧メニューとはいえ、食材はニューヨーク州内にある農家や酪農家と契約して仕入れており、「ローカル素材+北欧グルメ」が売りとなっています。地産地消を実行することで環境保護や新鮮さをアピールし、ニューヨーカーの心を惹きつけています。

料理を限定する流れは日本食にも及んでおり、2018年春にはブルックリンに日本に特化したJapan Village(ジャパンビレッジ)という巨大フードホールがオープンします。日本食レストランや居酒屋に加え、酒、食料品、雑貨の小売店も入居する予定となっており、各地に展開するイタリア食ホール、Eaterly(イータリー)の日本版になるともいわれています。NYの日本食需要とクオリティの高さは有名ですが、寿司やラーメンなどを気軽に1ヵ所で楽しめるとあり、ニューヨーカーの期待度は高まるばかりです。

ニューヨークのおすすめフードホール

上記以外にも、ニューヨークには以下のような人気フードホールがあります(以下、アルファベット順)。

2018年オープン予定

2019年オープン予定

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