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西海岸スタイルのフードホールが大ブーム! (3) 進化する飲食形態

アメリカのフードホール

シリーズの1回目2回目に続きフードホールの最終回となります。今回はフードホールの進化とそこから見える飲食ビジネスの今後をまとめます。

ハイセンスなインテリア系モールの一角にできたOC Mix (Photo by Miyuki Sato)

これまでに紹介した事例以外にも、激戦区のオレンジカウンティ(OC)にはユニークなフードホールがあります。その1つがThe OC Mix @SOCOです。ここはSouth Coast Collectionという、インテリアやデザイン関係のビジネスが軒を連ねる商業施設です。消費者が高級・高品質な家具、家電、内装設計などを見に行く場所で、それに相応しい洗練されたつくりとなっています。

そんなスタイリッシュモールの中にThe OC Mixという、小規模テナントを集めたスペースができました。カフェやカジュアルフードの飲食店を中心に、ブティックや専門店も入居しています。お客はステキな家具やインテリアデザインをショッピングしつつ、話題のスイーツやオーガニック料理を味わう、といった楽しみ方ができます。ただ飲んだり食べたりするだけではないんですね。

最新式は輸送コンテナスタイル?

輸送コンテナを改良した新しいフードホール、SteelCraft (photos by Miyuki Sato)

今、話題になっているのがSteelCraftというフードホールです。輸送コンテナを店舗に改良したスタイルで、今後トレンドになりそうな兆しです。輸送コンテナは近年、ポップアップ(期間限定)店で広く導入されるようになりましたが、半恒久的な施設としてフードホールに起用された例は初めてです。

SteelCraftの一号店は2017年2月にロングビーチにオープンし、二号店はOCのガーデングローブ(Garden Grove)に決定しています。コンテナに厨房を設計するのは専門性が必要ですが、カリフォルニアではこの10年ほどフードトラックという業態が広がり、狭小スペースで調理できるノウハウや技術が向上しました。コンテナ型はそこから少し発展した形といえます。

フードトラックからスタートしたWaffle LoveはSteelCraftで固定店を構えるに至りましたが、すでに直営バーを経営するクラフトビールメーカーのSmog City Brewingは逆にフードホールでカジュアルスタイルに挑戦しています。サンディエゴの老舗レストランである但馬も出店先として初めてフードホールを選びました。このように既存の飲食店が業態を変えてフードホールに出店するケースも目立っています。

フードホールから考える飲食ビジネスの今後

アメリカでは食のカジュアル化が進んでいるため、飲食店経営者は伝統的なレストランだけでなく、フードトラックやフードホールといった業態も視野に入れながら、ビジネスモデルを考えていく必要があります。日本人が経営するレストランの多くが、これまでストリップモールと呼ばれる道路沿いの商業施設に出店してきましたが、若者の集客率が高いフードホールも今後は出店オプションとして重視するべきと言えるでしょう。

フードホールはまず「そこに行くこと」が一つの目的となり、ただ食べ物や飲み物を提供するだけではない、何らかの付加価値が求められます。飲食店はそういった付加価値を提供できるかどうか、常に精査する必要があります。せっかく開店しても、特徴がなかったりフードホールの雰囲気に合わなかったリで閉店するテナントもあります。個性が重視されるフードホールだからこそ、他と同じでは人気を維持できないのです。

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