2018年のソーシャルメディアマーケティングは「映像」と「Story」がポイント?
ソーシャルメディア管理ツールのBufferはこのたびThe State of Social 2018というレポートを発表、企業のソーシャルメディアの活用状況と2018年の展望を報告しています。レポートの情報源は1796社のソーシャルメディアマーケッターに取ったアンケート結果。その85%が「ビデオコンテンツを増やしたい」、68%が「Story(期間限定投稿)機能を活用したい」と回答しています。
どちらも2017年に大きく広がったアイテムと言えます。Instagramの普及で映像の投稿が急増し、やはりInstagramがStoryを始めて姉妹メディアのFacebookにもフィードされるようになったことで、期間限定の投稿も日常的になってきています。多くの企業がこの傾向を重視しており、訴求性の高い映像や限定コンテンツを検討しているようです。
時間がない、予算がないといった理由で映像は画像やサイトリンクよりも優先順位が低いようですが、それでも75%のビジネスがこれまでにビデオコンテンツを投稿したことがあるという報告です。また、ライブ映像を配信した企業の67%が「効果があった」と回答しています。
メッセージアプリに開拓の余地
リポートの分析で、Bufferはメッセージ(チャット)アプリの成長とマーケティングのアンバランスを指摘しています。WhatsApp、Messenger、WeChat、Viberの四大メッセージアプリの利用者数は、四大ソーシャルメディア(Facebook、Instagram、Twitter、LinkedIn)の利用を上回るにも関わらず、メッセージアプリでのマーケティングを実践している企業はわずか20%。ここにはまだ大きな開拓の余地があります。
LINEが大きな存在を持つ日本で、これらはあまり知られていないと思いますが、WhatsAppとMessengerはFacebook系列、WeChatは中国、Viberは楽天が買収したヨーロッパにユーザーの多いプラットフォームです。たとえ知らなくても、日本国内だけで7000万超というLINEの利用者数を考えると、メッセージアプリが他国でも同じように浸透していることは理解できると思います。アメリカの企業が席巻するソーシャルメディアと違って、メッセージのほうは国や地域によって人気アプリが異なっています。ローカライズマーケティングに有効なツールと言えるでしょう。
企業の必須アイテム、ソーシャルメディア管理ツール
アメリカでは、従業員数人の企業や個人事業でもソーシャルメディアを重要なマーケティング手段として使っています。むしろ人が少ないからこそ、ソーシャルを充実させてより多くの顧客対象にリーチすることが大切なのです。アンケートによると、利用メディアは上位から順にFacebook(96%)、Twitter(89%)、LinkedIn(70%)、Instagram(70%)、YouTube(57%)、Google+(33%)、Pinterest(33%)、Snapchat(11%)です。
ほとんどの企業が複数のメディアを利用しています。それらをまとめて管理し、コンテンツの配信予定を組んだり投稿アナリティクスを一覧できるのが、Bufferのようなツールです。ほかにもHootsuiteやSprout Socialなどがあり、多くの企業が活用しています。Bufferは無料アカウントがあるので、試してみることをお勧めします(当社も使ってます)。慣れるととても便利で、より計画的、戦略的なソーシャルメディアマーケティングが可能になります。
ソーシャルメディアは独自の媒体として大きく発展しました。企業マーケティングも、ただコンテンツを載せればいいという時代は終わっています。他のマーケッターがどのように利用し、考えているかを知ることは非常に有効ですので、ぜひThe State of Social 2018を参考にしてみて下さい。グラフが多用されているので英語読解力がなくても理解できます。
*PDFファイルはBufferのGoogle Drive上にあります。すべてのクレジット、権利は作成者のBufferとSocial Media Weekに帰属します。